2009年4月3日金曜日

一品一葉図面

以前、某社に出向したとき、図面が一品一葉ではなく、驚いた経験があります。
そこで、図面は一品一葉としたほうが良い理由をまとめたいと思います。

設計・作図時
一品一葉図面
 メリット:作図範囲が明確。適切な用紙サイズを選択すれば、十分な用紙スペースがあるので、すっきりした図面が作図できる。これにより漏れ、間違いのチェックが容易になる。汎用性のある子部品などは、複数の図面から呼び出しができる。
 デメリット:図面間のツリー構造を常に意識して作図する必要ある。また、ツリー構造の情報を図面に記載する必要がある。

多品一葉図面
 メリット:関連する部品を一まとめにできるので、相互呼び出しの手間が省ける。
 デメリット:どの子部品まで盛り込むか、恣意的。沢山の子部品があると、図面が込み入りやすい。その結果、漏れ、間違いの温床となる。他の図面の子部品をどうやって子部品とするかの課題がある。その結果、全く同じ形状なのにも、異なる図面に別々に作図されるというムダも。

図面管理において
一品一葉図面
 メリット:個々の部品毎に図面を修正できるので、改訂が容易。
 デメリット:図番体系等で、図面ツリーを維持する必要がある

多品一葉図面
 メリット:図面の総数が減るので、ツリーの維持が若干楽になる。
 デメリット:図面が込み入っているので改訂が困難。特に履歴を残しながらの改訂が大変。

材料調達において
一品一葉図面
メリット:図面の数=部品種類の数あり、漏れが生じない。
デメリット:外注する場合、関連する図面を、漏れなく外注先に送付する必要がある。

多品一葉図面
メリット:1つの図面の範囲をまるごと外注する場合は、図面1枚の送付ですむ。
デメリット:1つ1つの図面を確認し、どのような部品が必要かピックアップする必要がある。漏れが生じる原因となる。

製造において
一品一葉図面
 メリット:個々の部品の指示が明確なので、製造しやすい。
 デメリット:複数の部品を製造する際は、部品の種類だけ図面が必要。

多品一葉図面
 メリット:同じ図面に記載されているならば、その図面だけで部品の製造が可能。
 デメリット:込み入った図面による読み間違いが生じやすい

一品一葉図面のデメリットは、軽微なもの、一時的なものであり、
多品一葉図面のデメリットは設計・作図、管理、製造の本質に関わるものであることが分かると思います。

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